#2 初めての〇〇 就職編その2

 今回は入隊初日から書いていこうと思います。

入隊といっても、いきなり全国の部隊に配属されるわけではなくて、まずは3ヶ月間の研修みたいなのを経てから配属されます。

この研修の場所は埼玉の熊谷と山口の防府の2つの基地で行います。日本を半分にして、半分から上は熊谷、半分から下は防府といったかんじです。自分は千葉出身なので熊谷でした。

あとから知ることになったのですが、この3ヶ月間の過ごし方で今後の自分の成績、昇進に影響があります。(確か給料にも関係があった気がする)

 

 当日の朝、親父に車で千葉市の某基地の集合場所まで送ってもらいました。

基地に着くとバスが数台並んでいてゾロゾロと人が乗っていきます。

それを見た瞬間に一気にいよいよ入隊なんだど実感しました。初めて親から長く離れるので少し不安で、きっと親父も寂しいだろうなと思っていたら、私を車から降したら『じゃあな』とだけ言い帰ってしまいました。

???えっ?それだけ?なんか一言親父のからのアドバイスとかないの?!

って思いましたけど、普段からそうゆう事を言わない親父だからきっと心では応援してくれていたと思います。

親父と別れてバスのほうに向かうと、自衛隊の制服を着た人が私の名前を確認してバスに乗るように言われました。

バスに乗るとみんなが私を見ます。私も席に着くと乗ってくる人を次々に見ます笑 居心地悪いと大体こうなりますよね笑

気付くとバスは満員、それを確認した運転手はエンジンをかけバスは動き出しました。

あぁーしばらく帰れないなと腹をくくり外をボーッと眺めて思いに耽っていたらいつのまにか寝ていました。ふと目が覚めるとそこはもう見知らぬ土地で基地が見えてきました。

いよいよゲートを通過してバスが二階建ての団地みたいな建物の前で停まり、運転手が『降りてください』と大きな声で皆に声をかけます。

降りて荷物を受け取ると建物の中から制服を着た違う自衛官が出て来て、名簿を確認して縦に1列数人ずつ並ばせていきます。

そして建物の中に案内されそのまま2階に上がっていくと『おつかれまです

と怒号に近い挨拶をその先輩自衛官に対してしていました。

その時かなりのショックを受けたのを覚えています。その挨拶をしていたのは私たちより数日先に着いていた北海道と東北の同期になる仲間でしたが、その出で立ちがみんな坊主で使い古されたジャージ(90年代)を着ていて、見た感じをそのまま言うならその時は、刑務所に来たみたいで帰りたくなりました。

それを引きずったまま自分の部屋に案内されるとそこにも先客がいて、また

『おつかれさまです』

もう気が滅入りそうでしたが、部屋に入るやいなや後に班員になる仲間が『どこから来た?』『何才』と話しかけてきてくれて、人気者になったみたいですごく嬉しかった。仲間とはすぐに仲良くなり話していると続々と全国から仲間が集まってくる。

ちなみに部屋は6人部屋で、1班12人なのでもう1部屋ある。この団地には全部で12班あるので144人の新隊員で構成される中隊になる。そして熊谷基地には我々の他に四中隊あるので全部で五中隊、役700人強の新隊員が集まっていた。

この時は同じ航空自衛隊を選んだ仲間と話が盛り上がり、刑務所から修学旅行にまで格上げされた時間を楽しんでいた。この先3ヶ月間の訓練の事など忘れて楽しんでいた。